(出典) 朝日新聞朝刊/2025年06月11日
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「再稼働加速」 2原発焦点
東京電力ホールディングスは10日、柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の原子炉に核燃料を
入れる「燃料装荷」を始めた。 昨春に燃料を入れ終えた7号機は、テロ対策施設の完成の
遅れなどで、数年先まで動かせそうもない。 そこで6号機が再稼働の「本命」になりそうだ。
ただ、再稼働に欠かせない地元の同意を得られる見通しは立っていない。
原子力規制委員会がこの日午前１１時に承認し、東電は午後1時ごろから作業を開始した。
約2週間かけて872体の燃料を入れる予定だ。 一連の作業が終わり、必要な点検をクリア
すれば、技術的にはいつでも再稼働できるようになる。
東電は「作業を進める中で課題が見つかれば立ち止まり、必要な対策を講じるなど、ひとつ
ひとつの工程を着実に進めていく」とコメントした。
7号機、テロ対策に遅れ 東電が方針転換か
福島第一原発事故を起こした東電は、柏崎刈羽原発の再稼働を経営再建の柱に据える。
火力発電の燃料費を減らせるため、1基あたり年1千億円の収支改善効果があるとはじく。
まずは最も新しい7号機を動かすとしてきたが、花角英世知事は賛否を明らかにせず、今夏
の再稼働は絶望的だ。
さらに、7号機を動かすには、テロに備えるための施設を10月までに完成させるという規制
委との「約束」も守らなければならない。 だが、東電は完成時期を2029年8月に延期。
どんなに早くても、4年後までは再稼働できない計算になる。
6号機用の施設もできていないが、規制委の決まりで、29年9月までは完成していなくても
断定的に動かせる。 そのため東電は、地元の同意が得られれば、まず6号機を動かし、テロ
対策施設の完成を待って7号機を動かす方針に転換するとみられる。
(森下友貴)
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