京都伏見・寺田屋見学
Visit to Teradaya in Fushimi, Kyoto |
京都伏見のイベント「伏見太閤バル飲み歩き」(2025.02.23)に参加した折に、その前座として
幕末の舞台となった伏見の街の歴史散策を楽しみました。
【diary-2.1212 / 「京都伏見街歩き&伏見太閤バル飲み歩き(1/2_伏見街歩き)」】
その時に訪れた史跡「寺田屋」を見学しましたので、皆さんにご紹介しておきます。
皆さんも京都を訪れる機会がありましたら、是非、ここ「寺田屋」に足を運ばれれば、武家政治から
日本の近代化へと変革した歴史の一端をご覧になれます。
史跡「寺田屋」のロケーションは、京都市伏見区南浜町にあります。
アクセスは京阪電鉄・中書島駅より徒歩5分。
詳しくは以下のGoogle Mapsをご覧下さい。
Mapの右上の をクリックして拡大してご覧下さい
濠川に架かる竹田街道の京橋の北側袂にある「伏見口の戦い激戦地跡」石碑を見学した後、
すぐ先の南浜通りを東に100m程歩くと、「寺田屋」と書かれた大きな提灯が見えました。
画像をクリックすると大画面でご覧になれます
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| 史跡「旅籠寺田屋」の外観 (2025.02.23_11:53) |
かっての寺田屋の跡地だったという寺田屋史跡庭園に入りました。
寺田屋騒動址や三十石船の詳しい説明板、女将お登勢と寺田屋の由来碑があります。
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| 「寺田屋騒動址」の説明板 |
「三十石船」の説明板 |
女将お登勢と寺田屋の由来碑 |
坂本龍馬像や坂本龍馬の石碑もあります。
受付で参観料金(600円)を支払い、参観チケットとリーフレット「伏見史跡 坂本龍馬の寺田屋」を
受領。
【参考】裏面は、土佐藩発行の藩札「慶應二年 収券 金五両 御銀方」という銀札。
銀札は江戸時代、銀で額面を表示した紙幣。原則として銀貨との交換が発行者によって保証されている。
保証人として土佐の御用商人で札座(藩札発行所)の名義人であった播磨屋と樋屋(ひつや)が表示されている。
寺田屋を定宿としていた土佐藩士が、宿賃を銀札で支払っていたのでしょうか?
リーフレットから幕末の歴史舞台となった寺田屋についてご紹介しておきましょう。
【1】寺田屋の由緒とその幕末期の歴史について
画像をクリックして大画面でご覧下さい
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【出所】リーフレット「伏見史跡 坂本龍馬の寺田屋」 |
【Ⅱ】復元された船宿「寺田屋」について
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【出所】リーフレット「伏見史跡 坂本龍馬の寺田屋」 |
参観順路に従って、2階に上がります。
上り口には坂本龍馬のお馴染みの写真があったり、階段上には龍馬とともに幕末の土佐四天王
の吉村寅太郎や武市半平太、寺田屋の女将・お登勢の肖像画が飾られています。
いやおうなく参観意欲を搔き立てますね。
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| 階段上り口に懸かった坂本龍馬の写真 |
寺田屋にまつわる関係者の肖像写真 |
二階には幾つかの畳敷きの宿部屋があり、各部屋は展示物のオンパレードでした。
歴男歴女の参観者にはたまらないでしょうね！
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| 「月」の間 (2/23_12:04) |
「雪」の間 (2/23_12:04) |
「花」の間 (2/23_12:09) |
坂本龍馬が愛用した部屋「梅」の間です。
この部屋に掛る龍馬の掛軸は、幕末の風雲急を告げ薩長連合に東奔西走する坂本龍馬の身に
忍びよる殺気を感じた女将お登勢が嫌がる龍馬に奨めて街の画家に描かせた龍馬遭難直前の
生彩えきえきたる絵像です。
計らずもこれが絶後のものとなり京都円山公園の銅像のモデルになりました。
【出所】リーフレット「伏見史跡 坂本龍馬の寺田屋」
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| 坂本龍馬が愛用した寺田屋の「梅」の間 (2/23_12:12) |
幕末の慶應2年1月23日(1866年3月9日)、京都で薩長同盟の会談を斡旋した直後に寺田屋
のこの部屋に宿泊していた坂本龍馬と護衛役である長府藩士の三吉慎蔵が、伏見奉行の捕り方
による襲撃事件があったところでもあります。
一階で風呂場にいたお龍が、外の不穏な気配を察して二階の龍馬に危機を告げたので、龍馬は
高杉晋作から贈られたピストルで、三吉慎蔵は槍で応戦します。
龍馬は手の左右の親指を負傷し、弾を装填できなくなった為、慎蔵が龍馬をかばいながら必死で
捕り方と応戦し、屋根伝いに包囲網を突破。 路地に逃げ込み、濠川沿いの材木屋に身を潜めた。
伏見薩摩藩邸へ知らせに走ったお龍と慎蔵によって、龍馬は薩摩藩士に救出された。
【出所】避難の材木屋の石碑の碑文
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お龍が龍馬に危機を告げるために
上がった階段 |
お龍か入っていた寺田屋1Fのお風呂 (2/23_12:15) |
別の部屋には龍馬と慎蔵が伏見奉行の捕り方に応戦する絵図や龍馬がその時に使ったという
ピストルの写真の展示もありました。
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龍馬がピストルで、三吉慎蔵が槍で
伏見奉行の捕り方に応戦する絵図 |
坂本龍馬が使った六連ピストル (2/23_12:08) |
一階にある女将お登勢の部屋と彼女の肖像です。
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| 寺田屋女将お登勢像 |
お登勢の部屋 (2/23_12:17) |
時は少し遡りますが、 寺田屋ではもう一件の寺田屋事件(寺田屋騒動)が起こっています
先にリーフレット「伏見史跡 坂本龍馬の寺田屋」【1】寺田屋の由緒とその幕末期の歴史で、この
騒動の概略が記されていますが、もう少し詳しく紹介しておきます。
幕末の文久2年4月23日(1862年5月21日)、寺田屋に滞在していた尊王攘夷の過激派
志士が弾圧された事件。
【参考】尊王攘夷運動とは
幕末の日本で天皇を敬って外国人を追い出そうとする思想や行動のこと。
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【1】島津久光の上洛
文久2年3月、薩摩藩の事実上の指導者で藩主茂久の父島津久光は、朝廷と幕府・大名が
協力して国内の政治を安定させようという公武合体や幕府の改革を実現するため、約1000人
の家臣を率いて京都へ向かった。
【参考】公武合体とは
幕末の日本で、朝廷(公)の伝統的権威と、幕府及び諸藩(武)を結びつけて
幕藩体制の再編強化をはかり強い日本を作ることを目指した政策論、政治
運動をいう。
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【2】尊王攘夷派の計画
一方、この年4月、薩摩藩士である有馬新七、田中謙助、大山巌、西郷従道、三島通庸らと、
浪士の清川八郎、田中河内介、真木和泉ら尊王攘夷派の志士たちが寺田屋に集まり、幕府
側に立つ関白九条尚忠らを襲撃する計画を企てていました。
【3】尊王攘夷派への説得
有馬らの計画を知り不快に思っていた島津久光は、尊王攘夷志士たちの不穏な行動を懸念
していた朝廷からの命令を受け、彼等の会合中を狙い、薩摩藩士奈良原繁、大山綱良ら9名
を派遣し、説得を試みました。
【4】乱闘事件勃発
しかし、有馬ら尊王攘夷派志士たちは説得に応じなかったため、同郷の藩士同士の間に乱闘
が起きてしまったのです。
島津久光が派遣した薩摩藩士たちは武術に長けた者が多く、説得に応じない場合は、討ち取っ
てもよいとの命令を受けていました。
凄惨な乱闘の末、有馬ら6名が斬られ、田中謙助ら2名が重傷を負って捕らえられ、説得を
試みた道島五郎兵衛が死亡しました。
【5】尊王攘夷派の敗北
乱闘の結果、重傷を負って捕らえられた田中謙助ら2名は切腹を命じられ、この後日1名が
自害しました。
また、乱闘勃発時、寺田屋2階にいた西郷従道など大勢の尊王攘夷派志士たちは、大山綱良
による必死の説得により降参し、鹿児島へ送られて謹慎を命じられました。
有馬を中心に企てられた計画に参加した多くの尊王攘夷派の志士たちは京都を追放され、
寺田屋事件(騒動)は終結しました。
【6】事件後の島津久光の幕政改革
寺田屋騒動を迅速に終結した島津久光は、朝廷から大きな信頼を得ることになりました。
1862年初頭から、京都での勢力を強めた薩摩・長州・土佐の三藩の尊王攘夷派は、朝廷を
動かして幕府を攘夷の立場に立たせようとしました。
この結果、攘夷貫徹のための幕政改革の一環として、一橋慶喜を将軍後見職に、松平慶永を
大老に登用せよとの勅諚が出ました。
孝明天皇の命令を伝えるための勅使大原重徳は、島津久光とともに江戸へ向かい、幕府に
勅諚を伝えました。
幕府はこれを受け入れ、一橋慶喜を将軍後見職、松平慶永を政事総裁職に任命しました。
【出所①】Wikipedia / 「寺田屋事件」
【出所②】日本史辞典.com / 「寺田屋事件とは」
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約30分の寺田屋参観でした。
この伏見で幕末の表舞台の一端を覗き見し、少しばかり当時の政局をうかがい知る良い機会
でした。
この後、次の見学史跡、会津藩駐屯地跡へと向かいました。
参考 diary-2.1212 / 「京都伏見街歩き&伏見太閤バル飲み歩き(1/2_伏見街歩き)」
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