泊3号機 新基準「適合」
27年にも再稼働 審査11年9ケ月
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(出典) 朝日新聞朝刊/2025年05月01日
原子力規制委員会(山中伸介委員長)は30日、北海道
電力泊原発3号機(北海道、出力91.2万キロワット)につ
いて、再稼働に向けた安全対策が新規制基準に適合する
と認める審査書案を了承した。 敷地内の断層が活断層
でないことの証明などに時間がかかり、審査は過去最長の
11年9ケ月に及んだ。 北電は2027年の再稼働をめざす。
7基 約10年審査継続
泊3号機を除いて審査が続く8基のうち7基は申請から約10年が経過。 南海トラフ巨大
地震の想定震源域に位置するなど重い課題を抱かえる。 泊3号機を皮切りに、こうした
「難航原発」が審査を通る段階に入る。
規制委は30日日間の意見募集後、今夏にも審査書を決定する。 北電は津波の高さを
最大15.68メートルと想定し、27年3月までに高さ19メートルの防潮堤をつくる計画。
地元自治体の同意を得た上で同年の早期に再稼働させる方針だ。
防潮堤などの安全対策工事の費用は少なくとも約5150億円とされ、当初見積もりの17倍
に膨らんだ。 3号機の建設費(約2900億円)を大きく上回り、未設置のテロ対策施設なども
含めるとさらに増える見通し。
北電が泊1〜3号機の審査を申請したのは新基準が施行された13年7月。 最も新しく、
出力が大きい3号機の審査を優先して進めてきた。 ところが、敷地内の断層が活断層で
はないことの根拠にしていた火山灰層が現地調査で確認できず、追加調査に時間がかかっ
た。 想定する地震の揺れの大きさや津波の高さなどの影響評価や、その対策をめぐる議論
も難航した。
ほぼ同時期に北電を含む4社が申請し、九州電力川内原発(鹿児島県)など他の原発が
18年までに次々と再稼働する中、泊原発の審査だけが残っていた。 北電は泊1、2号機に
ついても30年代前半の再稼働をめざす。
これまで規制委に審査を申請した原発は27基で、新基準への適合は21年の中国電力
島根2号機(松江市)以来、18基目。 再稼働したのは14基で、東京電力柏崎刈羽6、7号機
(新潟県)と日本原子力発電東海第二(茨城県)は審査を通ったが、地元同意を得られてい
ない。 原電敦賀2号機(福井県)は昨年11月に不許可となった。
(矢田文)
続く NPG2228_2025.05.01 / 時時刻刻 泊原発 手取り足取り審査
敷地に11の断層 判断に長時間
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