中部電力グループの「シーテック」（名古屋市）が岐阜県の大垣市や関ケ原町にまたがる
地域で計画していた風力発電事業が中止になった。　資機材や労務費の高騰が原因とい
う。　同社が１１月２６日付で発表した。

　計画は「ウインドパーク南伊吹風力発電事業（仮称）」。　同社によると、２０３４年５月の
運転開始に向け、事業区域に３千キロワットの出力を持つ風力発電機１６基を並べる予定
だった。

　計画を巡っては、計画の勉強会を開くなどしていた住民らの氏名や病歴などを岐阜県警
が収集し、シーテック側に提供していた。　住民側は１６年１２月、プライバシーなどが侵害さ
れたとして岐阜県を提訴。　名古屋高裁は２４年９月、個人情報の収集と提供を違法と認
定。　県に対して原告住民への賠償を命じた判決が確定している。