(出典) 朝日新聞朝刊/2025年05月20日
東京電力福島第一原発6号機の燃料プールにあった使用済み核燃料1456体の取り出し
作業が完了した。 地震が起きた際などの事故リスクを下げるのが目的で、これまでに3、4号
機で取り出し終えている。 7月からは5号機で始め、2031年までに全6基からの搬出を
終える計画だ。
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福島第一原発6号機から共用プール
のラックに移された使用済み核燃料
=4月16日、東京電力提供
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11年の事故の際、1〜6号機のうち5、6号機はメルトダウン
(炉心溶融)や水素爆発を免れた。
東電によると、6号機の取り出し作業は22年8月に始まり、
今年4月に原子炉建屋のプールから敷地内にある共用
プールに移し終えた。 当初は23年度の完了をめざしたが、
燃料を入れて運ぶ「キャスク」と呼ばれる金属製容器に問題
が生じるなどして1年ほど遅れた。
6号機のプールや貯蔵庫で保管中の未使用燃料428体に
ついても、取り出しの検討を進めるという。
原発の燃料は使った後も強い放射線と熱を出し続ける。
原子炉建屋の上層階にある燃料プールで保管し続けると、地震や津波が起きたときに崩れたり冷やせなくなったりするリスクがある。
そのため東電は、燃料を集中管理し、災害時もスムーズに対応できるよう共用プールに
移す作業を進めてきた。 14年12月に4号機(未使用含む1535体)、21年2月に3号機
(同566体)の取り出しを完了。 国と東電の計画では、2号機は26年度までに、1号機は
27〜28年度に取り出しを始める。
一方で、運び先の共用プールは保管できる容量の96%が埋まる。 そこで東電は今月8日
から、プールにある燃料を取り出してキャスクに入れる作業が始めた。 空冷で保管できる
敷地内の高台にある施設に移す。
共用プールの空き容量を確保したうえで、7月から5号機の使用済み核燃料(1374本)の
取り出し作業を始める。 26年度に始まる予定の2号機での取り出し作業中は、5号機の
作業を中断する。
(小川裕介)
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